書店の目立つ位置にある英語の参考書は、必ずしも「良書」ではない
皆さんは、英語の参考書を買うとき、どこで買いますか?
おそらく、「書店」ではないでしょうか。
では、更に質問です。
「書店の語学の書棚のどこにある英語の参考書」を手に取りますか?
おそらく、平積みや面陳している書籍ではないでしょうか。
※)平積み:書棚の下のところに積んである状態。
※)面陳:書棚に目立つように(本の表紙が見えるように)している状態。
実は、書店で平積みされていたり、面陳されている本は、必ずしも良書ではないのです!
どういうことか?
※)もちろん、良書の場合もあります。
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「出版社の力」と「英語の書棚のいい位置」の関係
たとえば、大きな書店に行って、語学の書棚にある本の「出版社名」をメモしていってみてください。
すると、「研究社」「アルク」「中経出版」など、わずか数社の出版社の本で占められていることに気がつくと思います。
実は、書店の書棚に本を入れることができるかどうかは、良書かどうかよりも、「出版社の力」の方が大きいのです。
どういうことか?
たとえば、無名な出版社のA社と、ミリオンセラーを出している出版社のB社が、同じような英語の参考書を出したとします。
もし皆さんが、書店の店員ならば、A社とB社の参考書のどちらを書棚に置きますか?
「読んでから決める」と思われる人もいるかもしれません。
しかし、実際は、星の数ほどの本がありますし、毎日のように無数の本が出版されているので、イチイチ本を読んでから、書棚に置くべき本を決めるのは、物理的に不可能です。
というわけで、書店員は、「数々のヒット作を出している出版社の本を中心にすればハズレはない」ということで、ほぼ自動的に「書棚にどのような本を入れるのか」「平積みするのは、どの本にするのか」「面陳するのは、どの本にするのか」を決めているのです。
※)紀伊国屋のpublineなどのようなPOSシステムで置くべき本を決めたり、書店員が英語の参考書に精通していて書棚に置く本を決めている場合もあります。
もしも、無名な出版社A社の出版した英語の参考書が「良書」であっても、書店の書棚には、すでにヒット作がある出版社B社の参考書が置かれるのです。
今までヒット作を出版していたからといって、これからも良書を出し続けるかどうかは、わかりませんよね。しかも、ヒット作は「作られたヒット作」かもしれませんしね(詳しくは次ページ以降)。
しかも、(私はあくまでネットでしか見たことがない情報なので、その真偽はわかりかねますが)「お金」を出せば、書棚のいい位置に、本を置けるとかいう話も……。
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書棚の目立つ位置にある本を買うことが、英語学習で挫折する原因の1つ!
かくして、以下のような状況が出来ているのです。
■1.一般人は、書店の棚の目立つ位置にある本が(特に、平積みされていたり、面陳されている本が)、「売れている=多くの人が価値があると思って買って
いる=良書」だと思い込んでいる。だから、書店に行くと、いつも目立つ位置にある本ばかり買う。
■2.実際は、良書だから書棚の目立つ位置に本が置かれているのではなく、書店の書棚の目立つ位置には、(その書棚に)力がある出版社の本で占められている。
■3.書店の書棚の目立つ位置にある本は、売れるものの(なぜなら1)、必ずしも、良書ではない(なぜなら2)。
※)良書の場合もあります。
これが、「売れている参考書は、必ずしも良書ではない理由」の1つです。
「でも、今までヒット作を出している出版社なら、これからも良書を出せるのじゃないの?イマイチ、納得できない」と思われた方は、次のページを。