売れていたり、マスメディアに露出していたりする英語の本は、必ずしも「良書」ではない
英語の本に限った話ではありませんが、本には、たとえば「発行部数の誇張」や「Amazonキャンペーン」などの「販売戦略」があります。
こういう販売戦略を使って本を売る出版社もあるので、必ずしも、「売れている本=良書」ではないのです。
この2つの販売戦略、どういうものなのか、軽く説明します。
※)ちなみに、この2つ以外にも、色々な販売戦略があります。この2つの方法はあくまで、色々ある販売戦略の1つです。
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発行部数の誇張とは?Amazonキャンペーンとは?
町を歩いていたとき、ふと「行列ができているラーメン屋」を見つけたとします。
すると、「行列ができている=多くの人が美味しいと思っている=美味しいラーメン」という心理が働くのではないでしょうか。
それと同じです。
「発行部数××万部の書籍」「Amazonランキングで1位を獲得した英語の参考書」などとあれば、「売れた=多くの人が購入する価値があると思った買った本=良書」と思って、思わず、本を買ってしまう人がいます。
※)このような効果のことを「行列効果」といいます。
そこで、Amazonキャンペーンなどと称して、Amazonから購入させたり、Amazonから自費で大量に本を買ったりして、Amazonランキングを釣り上げたり、印刷所で10万部刷っても、9割は、そのままゴミに出したりしても、「売れている本」を装う販売戦略があるのです(いずれも 古い手法です)。
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本の販売戦略は、書店員も騙されていた!
今は、もう騙されないようですが、昔は、Amazonランキング操作は、プロの書店員でさえ騙されていました。どういうことか?
書店も商売なので、書店に「売れる本」を置かないと倒産してしまいます。そこで、Amazonランキングの上位の本を書店に置こうとします。ましてや、ヒット作を出している出版社の本の本だと言うに及ばず。
そこで、Amazonランキングで上位をとっている本を、書棚の目立つ位置に置く書店が続出したのです。
※)昔は、Amazonランキングで1位をとれば、多くの書店に置かれましたが、2010年時点では、Amazonランキングで、長期間、上位に入らないと効果がないそうです。
このような手法で販売された本は、(良書かもしれませんが)販売戦略で売っているにすぎません。ストレートに書くと、役に立たない本であっても、如何にも役に立つように見せかけて、この販売戦略を使えば、ヒット作に仕立てることもできるのです。
※)Amazonキャンペーンをしている本がすべて、良書ではないということではありません。もちろん、良書もあります。
販売戦略だけではない!テレビなどのマスメディアの影響
販売戦略だけが「売れている本=良書」という図式を崩しているわけではありません。テレビなどのマスメディアの影響も同様です。
テレビで紹介された本の多くは、ヒットします。
また、書店でも、テレビに出たということは売れる兆しでもあるので、テレビなどのマスメディアに出た本は書棚に置こうとするので、売れ行きに拍車がかかるのです。
でも、よく考えてみると、テレビに出た本は、テレビに出たという「権威」があるからこそ、売れているのであって、本の「真価」を問われた結果、テレビに出て売れたわけではないのです(もちろん、真価を問われてテレビに出て、売れた本もあります)。
ストレートに書くと、役に立たない本であっても、如何にも役に立つように見せかけて、テレビに出せば、ヒット作に仕立てることもできるのです。
販売戦略で売れているだけであったり、マスメディアに露出されているだけの英語の本もある!
かくして、以下のような状況が出来ているわけです。
■1.一般人は、「売れている=多くの人が価値があると思って買って いる=良書」だと思い込んでいる。
■2.実際は、良書かどうかは別にして、販売戦略やテレビなどのマスメディアの影響で売れているに過ぎなくても、一般人は、1のように思って、本を買うので、ますます、売れる。
これは、販売戦略の「さわり」にすぎない話ですが、このような裏事情があって、必ずしも「売れている本=書店の書棚に置かれている本=良書」ではないのです。